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にこにこで卒業しましょう

将来、歯科医師となるみなさんへ CLO佐野司のブログ

舌骨上筋群は2つの顔をもつ

舌骨上筋群は、一方を宙に浮いている舌骨にくっつけ、他方を下顎骨や側頭骨にくっつけている筋群ですよね。

 

舌骨上筋群は、開口時に働く筋群として知られていますが、嚥下時にもよく働いてくれます。

 

開口時には、宙に浮いている舌骨を舌骨下筋群が動かないようにするので、舌骨上筋群は、結果的に下顎骨を下にひっぱることになり、口が開きます。

一方、嚥下時には、咀嚼筋が下顎骨を動かないようにするので、今度は、舌骨上筋群は、舌骨を上にひっぱることになり、嚥下運動をサポートします。

 

さて、舌骨上筋群は、

 

顎二腹筋、顎舌骨筋、オトガイ舌骨筋、茎突舌骨筋

 

の4つです。

 

覚えにくいですって?それでは、無理やりこじつけ語呂合わせですが

 

お互い二人掛け:お互い(オトガイ舌骨筋)二人(顎二腹筋)が(顎舌骨筋)け(茎突舌骨筋)

 

いかがですか?

MRI検査で火傷?

MRI検査は、軟らかい組織(軟組織)の異常を画像化できる検査です。

われわれ歯科の領域でもCT検査ではわからない関節円板の状態を知ることができ、また他の領域と同じように腫瘍などの疾患の診断にも利用されています。

ご承知のようにCT検査のように放射線被曝を伴わない検査です。

 

しかし、強い磁場の中で磁気を利用した検査ですので、多くの注意が必要です。

磁性を伴ったものを中に入れようとしたりして生じるのが、金属吸着事故です。酸素ボンベや車椅子、点滴台、ストレッチャー、医療従事者の携帯品などがMRI装置に吸着されてしまいます。

また、磁性を伴ったものを体の中に埋め込まれていたりまた身に着けていたりすると生じる事故もあります。心臓ペースメーカー、人工内耳など体内に埋め込まれている装置の電気的誤動作や故障、古いスチール製の脳動脈瘤クリップなどが牽引されて逸脱してしまうこともあります。

 

金属で火傷を生じることもあります。体の中に埋め込まれている金属でもそうですが、鉄の成分を含むマスカラや刺青等によっても火傷を生じます。

さらにMRIの撮影時の姿勢(体位)でも火傷が生じることがあります。高周波ループといわれる両側の大腿部、膝、足首が接触することなどによっても火傷が生じる可能性があるのです。

 

放射線被曝を伴わない検査ですが、患者さんを医療施設に紹介してMRI検査を依頼するときには適切な知識を持ち、いろいろな注意を払って対応しなければいけませんね。

片頭痛って?

 

 歯科医院には口や顎、顔面の痛み(口腔顎顔面痛)を伴われた患者さんが来院されます。口腔顎顔面痛には、歯の痛みでも歯が原因でない痛み(非歯原性疼痛)や顎関節や筋肉(咀嚼筋)の痛みのある顎関節症など多くのものがあります。歯科医師は、口腔顎顔面痛が、歯や顎が原因なのか、他に原因があるのかを鑑別しなくてはなりません。

 

 日本顎関節学会の“顎関節症と鑑別を要する疾患あるいは障害”(2014 年)で、鑑別が必要な疾患に緊張型頭痛,片頭痛群発頭痛などの頭痛が記されています。

今回は、その中で片頭痛についてお話させていただきます。

 

 片頭痛は血管が拡張することでズキンズキンする頭痛(拍動性頭痛)で、とてもつらいものです。日本では、10%弱の方が、片頭痛に悩まされていると言われています。原因ははっきりとわかっていませんが、頭部の血管が拡張することによる血管説とわれわれと馴染みの深い三叉神経が関与する三叉神経血管説があります。

 

 閃輝暗点というチカチカした光の症状などの前兆を伴う場合とそうでない場合があります。片頭痛発作は3日ほども続くことがあります。また嘔吐を伴うことも少なくありません。頭痛のときは、普段はなんでもない、音や光、においが気になることも多いようです。   

 

 本当につらい思いをされていた患者さんですが、わが国では10数年前にトリプタン系薬剤が発売されるようになり、多くの患者さんが片頭痛より救われるようになりました。

 

 痛みは患者さんにとって、もっともつらいもののひとつです。口腔顎顔面痛のこと、これからも一緒に勉強しましょう。

RALS(ラルス)って? その2

今回もRALS(ラルス)と関連の線源についてお話させていただきます。

 

前回の復習ですが、RALS(ラルス)は遠隔操作式後充填法  (Remote After Loading System)を略したもので、放射線治療法のひとつで体の中から放射線を照射する内部照射の治療のひとつです。

 

歯科・口腔外科領域では、RALS(ラルス)は、治療とともに機能や形態を温存することを目的に舌癌、口唇癌、頬粘膜癌などの治療に用いられています。

線源としては、高線量率のRALS 用192Ir(イリジウム-192)線源を用います。

 

ここで、192Ir(イリジウム-192)線源ですが、RALS(ラルス)を用いない舌癌の組織内照射でも使われます。

192Ir(イリジウム-192)を低線量率線源としてヘアピンなどの形で舌の中に一時装着線源として留置します。

また、舌の中に留置する組織内照射としては、低線量率線源の198Au(金-198)グレインを永久挿入線源として用いる方法もあります。

 

少し、難しいお話となりましたが、あとでまた確認していただけたらと思います。

 

参考:密封小線源治療-診療・物理 QA ガイドライン-(日本放射線腫瘍学会小線源治療部会ワーキンググループ)

RALS(ラルス)って? その1

いきなりですが、RALS(ラルス)ってダンスチーム?

いえ、ちがいます。

 

RALS(ラルス)は放射線治療のひとつです。

 

放射線治療は外部照射と内部照射の2つに分けられます。

外部照射は体外から放射線を照射する方法です。X線や電子線を照射するリニアックによる治療や陽子線治療、重粒子線治療などが含まれます。

内部照射は、悪性腫瘍のそばや内部から放射線を照射する方法です。内部照射には、体の腔内へ線源を置く腔内照射と組織内に直接線源を入れる組織内照射があります。

 

RALS(ラルス)は遠隔操作式後充填法  (Remote After Loading System)を略したもので、内部照射の治療のひとつです。

名前からだいたい想像がつくと思いますが、体内に置いたアプリケーターの中に遠隔操作で後から線源を入れ、内部照射である腔内照射や組織内照射を行います。治療効果の高い高線量率  (High Dose Rate)の線源を腫瘍のすぐ近くや腫瘍内部に5分~15分間程度置くことにより、効率的に集中的に腫瘍へ放射線を照射することができます。また、腫瘍と離れた正常組織にはほとんど影響がありません。

頭頸部では、高線量率のRALS 用192Ir(イリジウム-192 )線源を使用します。

あれ、そういえば、192Ir(イリジウム-192 )は、198Au( 金-198)グレインともに舌癌の組織内照射に用いるのではなかったっけ?

そうですね、次回は歯科・口腔外科領域でのRALSの使われ方や高線量率や低線量率の線源についてお話をしますので、もう少しおつきあいください。

 

参考:密封小線源治療-診療・物理 QA ガイドライン-(日本放射線腫瘍学会小線源治療部会ワーキンググループ)

 

復習はどのくらいの間隔でやるのがいいの?

記憶には復習が大事だということはよくわかりますが、復習はどのくらいの間隔で行うのがよいのでしょうか?

 

ドイツの心理学者・エビングハウス先生が、ランダムな単語を10個記憶し、それらをどのくらい覚えているかという実験を行いました。その結果、今では有名な忘却曲線は、記憶してから4時間で50%の5個の単語を忘れてしまうことを示します。単語を忘れてしまう速度は、人により違っていると思いきや、実際はほとんど差がないのです!

また、何も意識しない場合は、1か月で記憶は失われます。

 

そこで、以前にもご紹介した東京大学の池上裕二先生は、学習した翌日に1回目の復習を行い、その1週間後に2回を行い、2週間後に3回目の復習、1か月後に4回目の復習を行うことが記憶の定着に効果的とおっしゃっています。

 

こちらも復習の時間的なやり方としては試してみるといいかもしれませんね。

効果的な繰り返しの学習って?

今回はタイトルどおり、効果的な繰り返しの学習についてお話したいと思います。

よくいろいろな先生方が引用されるある実験があります。

 

パディー大学での実験です。実験に参加してもらったのはワシントン大学の学生で、覚えることが難しいとされるスワヒリ語40語を暗記してもらう実験です。

学習方法により次のような4グループに分かれ、はじめは繰り返して覚えてもらいました。

 

Ⅰ全部の単語を暗記しなおし、全部の単語を再テストする

Ⅱ間違えた単語だけ暗記しなおし、全部の単語を再テストする

Ⅲ全部の単語を暗記しなおし、間違えた単語だけ再テストする

Ⅳ間違えた単語だけ暗記しなおし、間違えた単語だけ再テストする

 

覚える速さは、グループ間で目に見える差はありませんでした。

次に、一週間後に再テストが行われました。

その結果、ⅠⅡの2つのグループは約80点、ⅢⅣの2つのグループは約35点という大きな差が出ました。ⅠⅡの2つのグループとⅢⅣの2つのグループでの違いは、全部の単語を再テストしたかどうかです。

 

すべての単語についてテストするということは、問題を解いてもらっているということですよね。このことからも前回お話した問題を解くといったアウトプットの学習方法は効果があるのでは、と思います。また、できる限り、何度もすべての問題を解くという繰り返しの学習が効果的ということが言えそうですね。